
障害福祉の現場で8年間のキャリアを積んできた、20代の経験者・島岡佑希さん。理学療法士を目指して地元・奈良から大阪への転居を決めたことをきっかけに、新たな職場として選んだのは、福祉マンション運営を手がける樹でした。樹が大切にしている「自立支援を大切にする介護」に惹かれたそうです。2026年4月の入社から3か月が経った今、島岡さんが感じている変化や学びについて伺いました。
幼なじみとの出会いから始まった福祉の道
――これまでのご経歴を教えてください。
最初のきっかけは18歳のときでした。幼稚園・小学校が一緒だった同級生に脳性麻痺による重度障害のある子がいて、彼女とはずっとつながりがありました。彼女が通う支援施設の法人にアルバイトとして関わるようになったのが、福祉の世界に入った第一歩です。
そのアルバイトを経て19歳で正規職員として入社し、障害福祉の通所事業や外出支援、身体介護などに8年ほど携わってきました。加えて、療養施設で介護度の高い方の全身介助を経験。その後、これまでの福祉の経験から理学療法士という仕事に強い興味を持つようになりました。現在は学校に通いながら、樹で勤務しています。
「自立支援」という方針に惹かれた入社の決め手

――8年間勤めた前職を退職し、樹への入社を決めた理由を教えてください。
前職を退職した理由は、理学療法士を目指して学生になるにあたり、生活拠点を奈良から大阪に移す必要が生じたからです。転職にあたっては、これまで以上に利用者様一人ひとりの暮らしに寄り添えるような仕事を探していました。これまでは通所という形での支援経験しかなく、住宅型の施設での勤務経験がありませんでした。そのため、通所していない時間帯の利用者様の暮らしにも寄り添える仕事という視点で求人を探すなかで出会ったのが、樹でした。中でも自立支援に重きを置いた事業展開に、大きな魅力を感じました。
――面接で社員の方や社長とお話しした際の印象はいかがでしたか。
面接で「自立支援」という方針の説明を受けたとき、それまで自分が抱いていた介護のイメージが大きく覆されました。それまでは全身の介助やオムツ交換、食事介助など、身の回りのすべてをお世話する高齢者介護のような現場を想像していましたが、樹では利用者様ができることを伸ばし、ご自身で物事に取り組めるよう後押しする方針だとお聞きし、強く印象に残りました。
障害者支援の中で、利用者様の「できた」という瞬間や、能力を伸ばす支援を大切にしてきた自分にとって、その考え方が法人の軸になっていることは大きな魅力でした。
福祉マンションという「暮らしの場」で気づいた新しい視点
――実際に働いてみて、これまでの職場と違うと感じた点はありますか。
今までは通所や日中の活動に介助として入ることが多く、マンションというプライベートな居住空間に訪問して介護をする経験がほとんどありませんでした。利用者様が安心して暮らす空間に入ることに難しさを感じる一方で、お部屋の雰囲気からその方の生活の様子が伝わってくるのは新鮮な発見でした。家事へのこだわりや物の位置を覚えるのは大変な部分もありますが、その方の暮らしとやり方を尊重して寄り添う視点を、日々働きながら学んでいます。
また、先輩スタッフが利用者様に対して「こうしたほうが物を取りやすい」などといった気遣いを自発的に重ねている姿を見て、利用者様への思いの強さを日々感じています。
――利用者様との向き合い方についても、変化はありましたか。
通所で関わっていた利用者様は、体調面の不安があるとまずご家族に相談される方が多い印象でした。しかし樹では、利用者様が不安に思ったことをまずスタッフに相談してくださいます。ある利用者様がスタッフのことを「家族みたいな存在」と話してくださったこともあり、物理的な距離が近いというだけでなく、信頼関係に基づいた近さがあるからこそ相談してもらえるのだと、日々の関わりのなかで実感しています。
訪問では基本的に一人で利用者様のもとへ向かうため、何かあった際はその場で臨機応変に対応しなければならない場面も多く、失敗しながらではありますが、アドリブ力や対応力を鍛える機会にもなっています。
――日々の業務の中で、勉強になったと感じることはありますか。
他のスタッフの方々の利用者様とのコミュニケーションの取り方からは、すごく勉強させてもらっています。お話を聞いてほしいという利用者様が多いなかで、ただ相槌を打つだけでなく、さりげなくアドバイスを伝えたり、ご自身の話を交えて会話を盛り上げたりされている姿がとても印象的です。同じ「話を聞く」でも、関わり方ひとつでここまで印象が変わるのだと、日々の現場から新しい視点を吸収しています。
――現在、夜間の学校に通われているとのことですが、仕事がある日はどのように両立されていますか。
朝8時から17時まで勤務し、18時から21時ごろまで授業を受けるという生活を送っています。理事をはじめとする上の役職の方々が体力面も考慮しながら1週間のスケジュールを一緒に調整してくれるため、無理なく両立できています。かなり融通を効かせてもらっており、本当にありがたいです。
現場に立ち続けたい。20代経験者へ贈るメッセージ

――今後、樹でどのように経験を積み、どんな介護職員を目指したいですか。
樹の考え方が自分の理想に近いからこそ、「何かをしてあげなくては」という義務感ではなく、利用者様に寄り添い、できたことを一緒に喜べるスタッフでありたいと考えています。利用者様と近い距離で関わることが好きなので、もっと現場で経験を積んでいきたいですね。
――20代で転職を考えている介護経験者の方へメッセージをお願いします。
今のマンションは同年代の女性スタッフが多く、新しく入った職員にも気さくに話しかけてくれる方が多いため、人間関係の良い環境で楽しく働けています。また、資格取得のサポートが充実しているのもありがたいです。得られる経験としては、全身介助などの体力の求められる介護というより、利用者様と対話しながら自立をサポートする介護というイメージに近いように思います。実際にマンションには精神疾患をお持ちの利用者様もいらっしゃるため、不適切な言葉遣いにならないよう気を配ったり話の展開を考えたりと、コミュニケーション能力が強く求められる場面も多くありますが、そこを自分の強みにしたいと考えている方には、とてもやりがいのある環境だと思います。
実際に私も、利用者様から要望をうまく伝えられないという相談を受けた際、「何か思うところがあったら遠慮なく言ってください」と声をかけ続けたところ、「島岡さんだったら言いやすい」と言ってもらえたことがあり、大きなやりがいを感じました。これからも一つひとつの気づきを大切にしながら、成長していきたいと思っています。