
3歳の子どもを育てながら、訪問介護の正社員として活躍する出井佑未子さん。「子どもがいる」という理由で不採用が続いた過去を経て、株式会社樹と出会い、髪色やネイルといった個性を尊重されつつキャリアを築いています。父の介護経験をきっかけに未経験から介護業界に飛び込んだ出井さんに、子育てと仕事を両立しながら働く日々や、介護の仕事で感じるやりがいについて語ってもらいました。
2社連続の不採用。「子どもがいる」という壁を壊してくれた、初めての理解者
――出井さんは現在、正社員として活躍されています。そもそも介護の仕事に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
きっかけは、私の父が3年ほど闘病生活を送っていたことです。自宅で父を介護していた際、訪問介護の方たちが来てくださる姿を間近で見ていて、「自分もやってみたい」と興味を持ちました。ただ、当時はまったくの未経験。それまではアパレルの店員やパチンコ店のワゴンスタッフなど、接客の経験しかありませんでした。
――まったくの別業界からのスタートだったのですね。数ある介護会社の中で、なぜ樹を選ばれたのですか?
一番の理由は、家から近かったことですね。子どもを保育園に預ける必要があったので、通いやすさは譲れない条件でした。実は、樹に決まる前に2社の面接を受けたんです。でも、当時はまだ子どもも小さく、面接で「子どもがいます」と伝えた瞬間に不採用になってしまうことが続いていました。「子どもがいると難しいのかもしれない」と感じたこともありましたが、そんな中で出会ったのが樹でした。
――樹の面接では、これまでと違う手応えがあったのでしょうか?
全然違いました!北口社長が、子育てへの協力やシフトの融通について、本当に親身になって話してくださって。「ここなら働きやすいかも」と直感しました。あと、これは私にとってすごく大きかったのですが、髪の色やネイルといった自分の「個性」を、そのまま受け入れてもらえたんです。ママであってもオシャレを楽しみながら自分らしく働ける、そんな環境に魅力を感じて入社を決めました。
「自己流」の介護で苦労した過去。プロの技術を知り、父への想いが深まった

――入社当初はパートからのスタートだったそうですね。未経験での現場はいかがでしたか?
最初は「大変そうだな」というイメージが強かったですね。父を介護していたときは、何の知識もなかったので、お風呂や排泄の介助もすべて「自己流」でやっていました。それが本当に重労働だったんです。でも、ここで仕事として学び始めてから、「あ、こういうやり方があったんだ!」「こうしていれば、父ももっと楽だったのかな」と気づかされることばかりでした。
――介護のスキルはどのように習得していったのでしょうか?
最初は資格がなかったので、会社にサポートしていただきながら学校に通いつつ、まずは掃除や買い物代行などの「生活援助」から始めました。半年くらい経ってから、入浴や排泄などの「身体介助」を段階的に教わっていきました。最初は先輩の動きを「目で見て盗む」日々でしたが、徐々に任せてもらえる範囲が増えていくのがうれしかったですね。
――1年後に正社員になられたとのことですが、心境の変化があったのでしょうか?
実は、離婚してシングルマザーになったことが大きな転機でした。「これから一人で子どもを育てていく」「しっかり稼がないといけない」という切実な状況になったんです。それを北口社長に正直に相談したところ、快く正社員としての登用を提案してくださいました。単なる労働力としてではなく、一人の人間としての状況を汲み取ってくださる優しさに、本当に救われました。
「いつも元気をもらえる」接客業で培った話す力が、利用者様の笑顔に変わる
――正社員になってから、お仕事の内容はどう変わりましたか?
勤務地は変わりませんが、任される仕事の量や責任はぐっと増えました。利用者様のケアだけでなく、事務的な書類作業なども担当するようになっています。でも、現場での関わりが一番なのは変わりません。私は昔から人と話すのが大好きで人見知りもしないので、利用者様とのコミュニケーションは自分でも得意なほうだと思っています。
――利用者様との関わりで、特に印象に残っていることはありますか?
特定の誰かというより、日々のちょっとした言葉に支えられています。「いつも元気をもらえる」と言っていただけたり、少し顔を出さないだけで「体調を崩していないか心配したよ」と声をかけてくださったり。友達でも家族でもないけれど、誰かの日常に必要とされている実感。それは接客業とはまた違ったやりがいを感じる瞬間です。
――精神疾患をお持ちの方など、対応が難しいケースもあるかと思います。
もちろん、毎日が試行錯誤です。「この方にはこういうトーンで話しかけよう」と自分なりに加減を考えたり、どうしても解決できないときはスタッフみんなで情報を共有して相談したりします。「自分一人で抱え込まなくていい」という安心感があるから、難しい現場にも前向きに挑戦できているんだと思います。
週1回の「リフレッシュ時間」が子育てをサポート。孤独を感じないチームプレーの魅力
――子育てと正社員勤務の両立は大変ではありませんか?
朝9時に保育園に預け、9時半に出社。17時半まで働いて、18時半には帰宅して夕食と寝かしつけ、という流れです。確かに体力は使いますが、実は「大変だ」と感じたことがほとんどないんです。というのも、会社側が「一人でリフレッシュする時間も大切だよ」と、平日に週1回、私一人のための休みを作ってシフトを組んでくれるんです。
――それは珍しい配慮ですね!職場からの理解が深いのでしょうか。
めちゃくちゃ深いです。子どもが急に熱を出したときも、連絡すると「全然いいよ!子どものそばにいてあげて」と即座に対応してくれます。出勤後も、「体調大丈夫だった?」とまず子どものことを気遣ってくれる。同じように子育て中のママさんスタッフもいて、休憩時間に「最近こういうの流行ってるよね」なんて子育て相談ができるのも、精神的にすごく救われています。
――まさに「チームで育てている」ような感覚ですね。
そうですね。以前は「一人で頑張らなきゃ」という不安が強かったのですが、樹に入ってからは孤独を感じることがなくなりました。シングルになったばかりの不安定な時期も、みんなが「何でも言ってね」と声をかけてくれた。ここは、単なる職場以上の温かい居場所だと思っています。
髪色もネイルも自分らしく。「オシャレなママ」のまま、キャリアを築いていきたい
――今後の目標を教えてください。
短期的には、まだまだ知らないことが多いので、日々の学びをしっかり吸収して「わからないこと」を減らしていきたいです。中長期的には、もっと周囲から「出井さんに任せておけば安心だ」と信頼される存在になりたいですね。将来的には責任ある立場も目指したいですし、何より、この大好きな職場にずっと居続けたいと思っています。
――最後に、介護業界への挑戦を迷っている子育て中の方へ、メッセージをお願いします。
「介護の仕事に興味はあるけど、ネイルも髪色も楽しめなくなるのは嫌だな」「子どもがいるから迷惑をかけちゃうかも」そんな不安で一歩踏み出せない方にこそ、樹を知ってほしいです。ここでは、ママである前に一人の人間としての個性を尊重してもらえます。オシャレを楽しみながら、自分らしく働くことは、結果として仕事のモチベーションや子どもへの笑顔にもつながります。
「樹に来てくれたら、その不安はなくなりますよ!」って、胸を張って伝えたいですね。まずは一度、遊びに来るような感覚で覗いてみてほしいです。