
有料老人ホームやリハビリ施設など、高齢者福祉の現場で12年のキャリアを積んできた木下翔心さん。入社1年目で管理補佐を任されることになりました。その背景には、障がい者福祉という未知の分野への挑戦と、樹が持つ風通しの良い組織文化がありました。今回は木下さんにその経緯を語ってもらいました。
祖父のヘルパーさんの姿が、キャリアの原点
――介護の仕事を目指されたのはどのようなきっかけからですか?
もともと学生時代は飲食店や物販などの接客業をしていて、人と関わる仕事に就きたいという気持ちがありました。そんななか、祖父が介護を必要とする状態になり、有料老人ホームに入居したのですが、酸素が必要な状態の祖父に対して、自分自身は何もしてあげられなかったんです。触れること自体が怖く、食べ物も飲み物も口にできない祖父をただ見ているしかありませんでした。
そのとき、施設のヘルパーさんが「ガーゼにフルーツ牛乳を染み込ませると飲んでくれる」ということを発見して、少しずつ口に含ませることを繰り返してくれたんです。家族ですらどう対応すれば良いかわからない状況で、ヘルパーさんが全力で向き合ってくださったおかげで、後悔のないまま祖父を看取ることができたと感じました。自分もそういう仕事に就きたいと思ったのが、最初のきっかけです。
――初めて介護の現場に入ったとき、どのような気づきがありましたか?
最初に入った会社はとても厳しいところで、利用者様ではなく「お客様」として、ホテルのようなサービスを提供することを1から叩き込まれました。技術を覚えることで精一杯でしたが、いざ現場に立ってみて感じたのは、年数や技術よりも大切なのは「気づき」や日々の様子を見ることだということです。それぞれの方に合った介護をするための向き合い方や気づきのほうが、実は技術以上に重要だと気づきました。最初の職場で技術面と同時に、そうした仕事への向き合い方を強く学ぶことができました。
その後は有料老人ホームやリハビリ施設などで勤務してきましたが、介護の仕事を続けてきたなかで一貫して思うのは、利用者様が「ありがとう」と笑ってくれた瞬間に、携われて良かったと実感できるということです。日々新鮮で毎日イレギュラーな出来事があり、それが悩みにもなりますが、チームで協力して乗り越えていく楽しさもあると思っています。
障がい者福祉という未知の分野へ。成長できる環境を求めて、樹への入社を決めた

――12年のキャリアを経て、なぜ樹への入社を決めたのでしょうか?
高齢者福祉を中心に経験を積んできたなかで、新たに障がい者福祉の分野に挑戦してみたいという気持ちが芽生えていました。いくつかの会社を比較検討するなかで、樹に決めた一番の理由は、会社自体がまだ若く、代表も従業員も若い方が多いという点です。会社が大きくなっていく過程に携わっていけることに、強く魅力を感じました。
面接のときから印象的だったのは、「どんどん意見を出してほしい」という雰囲気が伝わってきたことです。話をしっかり聞いてもらえる環境だということが、最初の面談の段階から感じられました。若い組織だからこそ風通しが良く、スタッフ同士の連携や情報共有が活発にできそうだというイメージでした。
――入社当初、組織からどのような役割を期待されていると感じましたか?
介護福祉士などの資格を取得しているスタッフがほとんどいない環境でしたので、これまでの経験や知識をどんどん共有してほしいと言われました。自分が積み上げてきたものを発信することで、会社自体も良くなるし、利用者様へのサービスの質も高められると思いました。障がい者福祉自体は未経験でしたが、福祉への向き合い方や利用者様との関わり方という観点では、12年の積み重ねが確実に活かせる場面があると感じていました。
入社1年目で管理補佐に。3人で連携し、問題解決へ
――入社1年目で管理補佐を任されることになった経緯を教えていただけますか?
実は私自身、「現場にいたい」という気持ちの強さから、当初は早期のキャリアアップを目指していたわけではありませんでした。ただ、働くなかでミーティングや話し合いの場で「ここはこうした方が良いのではないか」と積極的に発信したり、スタッフ同士の情報共有をスムーズにするための働きかけをしたりしてきました。その部分を評価していただけたのかなと思っていますが、打診された際は正直驚きました。
管理補佐のお話を前向きに受け入れられたのは、樹が「一人でやってほしい」ではなく、「まず管理補佐というポジションから、管理者の方と、同時期に管理補佐となった方と、3人で協力してやってほしい」というかたちで環境を整えてくれていたからです。その方々は障がい者福祉にも樹にも豊富な経験があり、3人でお互いの足りない部分を補い合える関係を築けそうだと感じました。この方たちと樹で挑戦したいという気持ちが大きくなり、お話を受けることにしました。
――管理補佐として働くなかで、苦戦したことや乗り越えたエピソードはありますか?
管理補佐として現場に指示を出す立場になったわけですが、各指示がどこから(役員からなのか、管理者からなのか)来ているのかを明確にしきれておらず、現場への落とし込みや情報共有がうまくいかない時期が最初はありました。そこに関しては、管理者と管理補佐の3人でしっかり話し合える場やトークルームを設け、3人の間で情報を整理してから現場に伝えられる仕組みをつくることで、徐々に解消されました。現場と管理側の中間として機能することの難しさを実感しながらも、チームで乗り越えられたと感じています。
社歴より提案する姿勢が評価される。樹と一緒に成長し続けるために
――社歴の浅いスタッフでも挑戦できると感じた場面はありましたか?
ミーティングで「こうしたほうが良いのではないか」と提案したときの反応がとても印象的でした。新人が発言することについては、批判的に受け取られたり、なかなかやり方を変えてもらえなかったりする会社も中にはあると思います。しかし樹では、「良いね、じゃあ1回試してみよう」と取り入れてもらえる。障がい者福祉が未経験の自分の意見でも、しっかり聞いてもらえるのは、会社自体が柔軟な思考を持っているからだと感じています。
評価されるスタッフに共通しているのも、仕事のスキルの高さよりも、周りとのコミュニケーションを大切にしながらチームで動ける姿勢だと思います。マンション型の施設ではスタッフが常駐しているため、情報共有やチームワークがサービスの質に直結しています。自分だけではなく周りをしっかり見て、柔軟に考えて提案や発信ができる方が、特に活躍しやすい環境です。
――今後、樹でどのようなことに挑戦していきたいですか?
私自身は出世志向ではなく、現場に近いところにいたいという気持ちが今も強くあります。ただ、障がい者福祉の分野に飛び込んでみて、まだまだ学べることがたくさんあると感じているので、まずは知識や経験をさらに深めていきたいです。管理補佐としては、高齢者福祉で培った経験を障がい者福祉に取り入れながら利用者様や職員と共有し、後輩の育成やチームワークの強化に力を注いでいけたらと思っています。
樹は代表が掲げる障がい者の自立支援という方向に、みんなで向かって成長し続けている会社です。私自身も入社してからの1年で、未経験の分野を経験し、知らないことを多く学べました。加えて「この方々となら色々挑戦したい」と思えるような方々に囲まれています。そんな樹という会社と一緒に、自分自身も成長し続けていけたらと思っています。