
入院先の主治医から「環境を変えた方がいい」と勧められ、2026年6月にYuki千里山西へ入居したKさん。福祉マンションという新しい生活環境のなかで、自分らしいペースでの生活を楽しんでいます。入居1か月あまりで感じた生活の変化と、これからの目標について、率直に語っていただきました。
グループホームから離れる決断。背中を押してくれた主治医の言葉
――Yuki千里山西への入居を考えたきっかけを教えてください。
以前はグループホームで生活していたのですが、主治医の先生と話し合うなかで「環境を変えたほうが良いのではないか」と言っていただきました。それがきっかけで、今回の福祉マンションへの移転を真剣に考えるようになり、入居に至りました。
――グループホームでの生活では、どのような難しさがありましたか?
不便というわけではなかったのですが、同じ空間に生活している方がいて、テレビの音量がかなり大きく、部屋が分かれていても音が響いてくる状況でした。リラックスしたい時間にも気が休まらず、どうしても住み心地の良さを感じられないでいました。
共同生活ならではの難しさで、その方を責めるつもりはありませんが、自分にとってはじわじわと負担になっていたんです。
そのタイミングで、グループホームの共同生活よりも自由のある形の暮らし方をすすめていただきました。私もそのほうが自分には合っているだろうと感じました。
わざわざ訪ねてくれたスタッフのおかげで、入居前の不安は解消
――入居を決めてから実際に入居されるまで、不安はありましたか?
正直に言えば、まったくなかったとは言えません。新しい環境に飛び込むのですから、やはり不安はありました。ただ、入居前にスタッフの方が病院まで来てくださって、直接お話しする機会をつくっていただけました。
顔を見て話したことで、不安はずいぶんと和らぎました。「この方たちなら大丈夫だろう」と感じて、「どうにかなるんじゃないか」という感触を持てるようになっていました。
――実際に入居された直後はいかがでしたか?
引越し直後は荷物が散乱していて、足の踏み場もない状態でした。片付けが苦手な自分にとっては途方に暮れる状況だったのですが、スタッフの方が一緒に荷物を整理するのを手伝ってくれて、本当に助かりました。手伝っていただけなかったら、今でも荷物が散らかったまま生活していたと思います。
新しい生活のスタートを、スタッフの方と一緒に整えていけたことで、よりいっそうスタッフの方を信頼できるようになりました。感謝してもしきれません。
「気にかけてもらっている」という温かさが居心地の良さにつながって

――入居後、気持ちの面でどのような変化がありましたか?
かなり心の余裕を持てるようになりました。以前は他の入居者の方への気遣いがどこかにあり、ちょっとしたことでもストレスになっていました。
今は自分のペースで生活できていますし、スタッフの方も「今日は何を食べたの?」と気さくに声をかけてくれるので、こちらもフランクに話せています。楽しくやり取りをさせてもらえて、本当にありがたいです。
――スタッフの方との関わりで、特に印象に残っていることはありますか?
たこ焼きパーティーのようなイベントに誘っていただいたことです。参加するかどうかは自由に決めることができますが、誘ってもらえること自体がうれしかったです。「ちゃんと気にかけてくれているんだな」と感じられて、ありがたいなと思いました。
また、担当のスタッフさんにトイレ掃除の基準をしっかり教えてもらってから、毎回30分ほどかけて丁寧に掃除するようになりました。最初は基準が厳しいなと思いましたが、実際に汚れているのは確かですし、気にするのは当たり前のことです。今では丁寧な掃除が生活習慣として身についてきました。こうした関わりを通じて、日常の過ごし方が少しずつ充実してきたように思います。
自分のペースで楽しめる、静かなマンションでの理想的な暮らし
――現在の日々の暮らしで、楽しみにしていることを教えてください。
寝る前の1時間に、ゲームをすることです。このマンションはとても静かで、夜も騒音がほとんどないので、ゲームに集中して没入できます。以前の環境では得られなかった時間です。その1時間がとても充実していて、毎晩楽しみにしています。「ここに移って正解だった」と感じる瞬間のひとつです。
――生活リズムという面ではいかがでしょうか。
時間が厳密に決まっているわけではなく、食べたいと思ったときに買い出しに行って、ご飯を炊く、というような自分のペースで過ごしています。「整っている」という表現が合うかどうかはわかりませんが、自分らしい生活はできていると感じています。
徒歩5分ほどのところにスーパーがあり、気軽に買い出しに行けることも、日々の暮らしをとても楽にしてくれています。以前の一人暮らしでは、重い荷物を遠くまで運ぶことが大変で、それがストレスになっていました。今は気が向いたときにさっと行けるので、食事の面でも無理なく自分のペースを保てています。
一人で抱え込まず、まずは声に出してみること
――環境を変えることに不安を感じている方へ、メッセージをいただけますか?
新しい環境に移るとなると、移った先での人間関係がわからないことや、住所変更などの手続きの煩雑さを思い浮かべる方も多いと思います。気持ちはよくわかります。ただ、一人で思い悩むより、「こういうことを考えているんだけど」と家族や支援者など近くにいる方に話してみることが大切だと感じています。案外、声に出してみると、一緒に動いてくれる人が現れるかもしれません。
私の場合は家族がそうでした。最初は私の思いがけない相談に驚いた様子でしたが、最終的には荷物の運び出しまで手伝ってもらえました。今の環境に不満があるなら、まず「助けてもらえますか」と切り出してみることが、前に進む大きなきっかけになると思います。
――今後の目標を教えてください。
今はまだ体力が完全に戻っていない状態なので、焦らずいきたいと思っていますが、まずは就労支援などの日中の活動に週1〜2日から通い始めて、少しずつ慣れていければと考えています。いきなり週5日というのは現実的ではないので、時間はかかっても着実に積み重ねていきたいです。