
9年前に脳出血を経験し、右半身に麻痺が残るSさん。実家での生活に不安を感じるようになり、2024年6月にステーションパレスS・Tへの入居を決めました。24時間常駐のスタッフ、居住者の方々との居心地の良い関わり、そして毎日の食事まで。整った環境のなかで、Sさんは少しずつ自分らしい暮らしを取り戻しつつあります。入居前の経緯から現在の日々の充実まで、じっくりとお話しいただきました。
実家を離れる決断。安心して暮らせる場所を求めて
――新しい住まいを探し始めたきっかけを教えてください。
私は3人きょうだいで、上に兄が2人います。父は老人ホームに入居しており、次男はすでに実家を出ていたため、母と長男、私の3人で暮らしていました。
長男には身体・精神・知的障害があり、家庭内で折り合いの難しい場面もありました。私自身も脳出血を経験して以来右半身に麻痺があるため、兄のことや生活上のアクシデントに対応することが困難な状況でした。高齢の母への負担も気になっており、家族全体として生活環境を見直す必要があると感じるようになりました。
最初は長男にグループホームへ入居してもらうことを検討しましたが、近くにあるグループホームが全て満室で、実現が難しい状況でした。そこで以前から相談していた基幹相談支援センターに改めて相談したところ、「一人暮らしができるマンション型の施設が新しくオープンする」「あなたがここに入居されるほうが早いかも」とこちらの施設を教えていただきました。
7階との不思議なご縁が、踏み出す背中を押してくれた

――施設を選ぶ際に、決め手になったことは何でしたか。
最初にパンフレットをいただいたのは入居の半年ほど前でしたが、そのときはまだ施設に関する情報が十分に集まっておらず、一度は候補から外してしまいました。でも後になってやっぱり気になって夏頃に問い合わせた時には満室で、秋頃にもう一度連絡してみた際に空室があるとお聞きして、見学と宿泊体験をお願いしたところ、それがたまたま7階の部屋でした。
――宿泊体験が決め手になったのでしょうか。
それもありますが、「7階」という数字に、個人的に強いご縁を感じたんです。高校生のときに急性心不全で亡くなった親友がいて、その子の誕生日が7月7日でした。空室が7階だと知ったとき、「7階なら頑張れるかな」と思い、迷う気持ちがすっと楽になりました。実際に宿泊体験してみて、スタッフの方々の対応も丁寧で雰囲気も良く、「早く決めないと埋まってしまう」と思ったほどでした。
――入居前に不安に感じていたことはありましたか。
一人暮らしの経験がなかったので、生活全般を自分でこなせるかどうかが心配でした。これまで実家では母が多くのことをやってくれていたので、洗濯や食事まわりなどを自分でうまく管理できるか、自信が持てなかったんです。
24時間の安心と、きめ細やかな暮らしのサポート
――実際に入居してみて、安心できると感じる点を教えてください。
まず、オートロックで防犯面がしっかりしているのが心強いです。また、それ以上に大きいのは、24時間スタッフの方が常駐してくださっていること。夜間に何かあってもすぐに連絡でき、ありがたいです。脳出血の後遺症で右半身に麻痺があるので、日常の動作でできないことも多いのですが、無理をせず気軽にお願いできる環境があるのは本当にありがたいです。
――具体的にサポートをお願いしていることはありますか。
お風呂、トイレ、床、その他水回りの掃除は、しゃがんだり細かい動作が必要で自分では難しいので、スタッフさんにお願いしています。お食事も、包丁を使うことへの怖さがあるので、夕食だけお願いしているのですが、これが毎日美味しくて、夕食の時間がひとつの楽しみになっています。困ったことを相談すると「何とかしましょう」と動いてくださいますし、こちらの要望にも柔軟に対応していただけるので、遠慮なく伝えられる関係性ができています。
――スタッフの方の対応で、特に印象に残っていることはありますか。
私は右手が麻痺していて扉を開けるのが難しいのですが、さりげなく手を貸してくださることが多く、とても親切にしていただいています。日常生活での他愛もないお話も楽しいです。最近だと、私が携帯を変えたいと思っているので、皆さんに携帯の話を聞いています。
――普段、どのように一日を過ごされているか教えてください。
平日は朝起きて身支度をし、9時過ぎには部屋を出るようにしています。9時20分から30分の間に就労継続支援B型事業所への送迎に来てくださるので、そこから15時まで通っています。火曜と木曜はお部屋の掃除にスタッフの方が来てくださる日なので、その日はまっすぐ戻るようにしています。月・水・金は実家の近くまで送っていただき、そこから歩いて実家に立ち寄ることもあります。
休日は8時から8時半頃に起きて、買い物に出かけたり、通院したり、お昼は実家でご飯を食べたりして過ごしています。近くの千林商店街にもよく足を運んでいて、冬は暖かく夏は涼しいので、季節を問わず過ごしやすい場所として気に入っています。
――夜の時間は、何か趣味などを楽しまれているのでしょうか。
部屋に戻ってからは、テレビを見てゆっくり過ごす時間が多いです。夕食のあとにお風呂の準備と洗濯を並行して行い、お風呂から上がる頃に洗濯が終わっているので、そのタイミングで干しています。ドラマが放送されている時期はそれを楽しみに、なければニュースやバラエティ番組を見て過ごしています。
同じ屋根の下に、思いやりがある。居住者との温かなつながり

――他の居住者の方とのお付き合いはいかがですか。
同じフロアに3部屋あって、同じフロアの方々とお話しする機会もあります。去年は3人で夕方に立ち話で盛り上がったこともありました。就労継続支援B型事業所の送迎を待つ間に他の入居者さんとお話ししたり、施設内で自然に声をかけあう場面も多くて、孤立感がないのが良いなと思っています。
――居住者の方から助けていただいたエピソードはありますか。
下の階に住んでいる方が、私の部屋の前までアイスを持ってきてくださったことがありました。「美味しかった」と伝えたら「また持ってくるわ」と言ってくださって、本当に温かい方だなと思っています。それから、オートロックのドアを右手の麻痺で開けにくいときも、居住者の方が気づいてさっと開けて待っていてくださることが多いです。
今日も私が送迎の方を見送りしていると、たまたま同じタイミングで帰ってきた方がいて、ドアを開けて待ってくださっていました。自分で全く開けられないというわけではないのですが、気にかけて待ってくださっていたということ自体が、とてもうれしかったですね。
――施設のイベントにも参加されているとお聞きしました。
この間はお花見にいきました。歩いて20分ほどの場所まで、電動車椅子で。お花を見ながら皆さんと食事をして、楽しい思い出になりました。
やってみたら、何とかなる。前を向いて歩き続けるために
――今後の目標を教えてください。
就労継続支援A型の事業所への移行を目指しています。現在はB型に通っていて、スタッフの方がとても良い方ばかりなので居心地良く通えているのですが、収入面のことも考えるとA型に進みたいという気持ちがあります。ただ、身体障害があっても受け入れてもらえる事業所を少しずつ探している段階です。
――最後に、入居を検討されている方へメッセージをお願いします。
24時間スタッフの方がいてくださって、相談したら一緒に考えてもらえることは大きな安心感につながっています。私自身、一人暮らしが初めてで不安でしたが、いざ住んでみたら「何とかなるものだな」と感じました。宿泊体験ができるので、まずは試してみることをお勧めしたいです。